“体幹”とか“コア”とか…

ここ数年、スポーツ業界やフィットネス業界で“体幹”や“コア”という言葉が盛んに取り上げられ、何かあれば、

『体幹を鍛えましょう!』

『体幹を鍛えるとスポーツパフォーマンスがアップしますよ!』

『体幹が弱いから腰痛になるんですよ。』

『体幹を鍛えるとウエストが引き締まってダイエットになりますよ。』

など、猫も杓子も“体幹”です。

あまりに、安っぽい言葉になりすぎて、僕はあまりこれらの言葉を使わないようにしています。

しかし、今回は敢えてこのキーワードについて、僕の考えを書きたいと思います。

長くなるので、興味のない方はここで終わって下さい。

そもそも、一般的な解釈として、“体幹”とは、深層腹筋群や浅層腹筋群、それに伴い脊柱起立筋群、骨盤底筋群、横隔膜を指している事か多いと思います。

僕の解釈は、胸郭より下で骨盤より上です。

簡単に言うと、胸から下で腰より上というイメージでしょうか。

骨格的に背骨(脊柱)しかなく、とても不安定な部分です。

その不安定な脊柱を固定、安定させるのが、“体幹”の筋群です。

ですので、“体幹”の主な役割は脊柱の『スタビライザー』や『安定性』です。

日常生活やスポーツをする場面で身体がグラグラ、フラフラ、しない人を見て『体幹がしっかりしてるね~!』などと、声を掛ける事もよくあると思います。

僕が今までで一番、それを感じたのはこの方です。

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そうです、【平成の大横綱、貴乃花関】です。

全盛期の貴乃花関の取り組みを観戦した方々は異論はないと思います。

あの安定感、あの“体幹”から下半身の粘り!!!

では、この大横綱が“体幹”を強くする為に、下の写真のような事をしていたでしょうか?

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答えはNOです。

激しい稽古とウエイトトレーニングであの“体幹”の強さは生まれたのです。

それを踏まえて、僕が伝えたいのは、プランクやサイドプランクを一生懸命にトレーニングしても“体幹”は強くならないという事です。

その姿勢で我慢するのが上手くなるだけです。

それよりも、短距離ダッシュやスクワット、デットリフト、クイックリフトを行う方がよっぽど“体幹”のトレーニングになります。

なぜなら、高速での移動や高負荷という“不安定要素”がある状況下での動作を強いられる為、正確かつパワフルに動作を行うために“体幹”は必然的に“安定性”が求められるからです。

事実、スクワットが強い方は初めてプランクを行ってもすぐに慣れ、60秒ぐらいならピクリともしなくなります。

しかし、プランクが強い方がスクワットを初めて行ったらどうなるでしょう?
40㎏程度の負荷でも“安定性”を保って行う事は難しいでしょう。

100㎏のスクワットをする人間と1分間プランクをする人間のどちらの“体幹”が強いかは考えなくても分かる事です。

ただし、高齢者の方や腰痛の方、腹部や背部に傷害がある方には有効な使い方もあるのは事実です。

長々と書いてしまいましたが、“体幹”とはそういうものです。

『プランクやってる暇があったらスクワットやれよ!』

という事です。

個人的な意見ですが、“体幹”と“コア”は同じような意味合いで使われていますが、“コア”はもっと安っぽい言葉です。

あしからず。

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