ピックアップ

東京選手権の振り返りをして行きたいと思いますが、こういったボディコンテストはルールが独特なので、少し説明も交えながら書いて行きます。

 

まず、今回私がエントリーしたメンズフィジークマスターズクラスは出場者が31人でした。

 

ここから3回の審査を行う事で1〜6位を明確にするという審査の流れです。

(もちろん7位以下もしっかりと順位は付きますが、当日のステージで明確に順位発表されるのは今回の大会では6位までです)

 

まず、第一の審査は“ピックアップ審査”という物です。

 

ここで31人から12人に絞られます。

 

審査員の方はそれぞれ12票持っていて、自分が残したいと思う12人にチェックをし、チェックの多い選手が上から順に残るというわけです。

 

今回は審査員の方は7名いらっしゃったので、最高で7票、最低で0票のチェックが付きます。

 

私のカテゴリーは31人と大人数なので、2組に分かれて登場し最後に31人がズラッと並びます。

 

 

 

ここで審査員の方から番号を呼ばれ比較審査がありますが、この時に呼ばれるのは12人のボーダー上にいる選手であり、確実にピックアップを通過している選手と今回はあまり良く無いコンディションだった選手は呼ばれません。

 

(ピックアップ審査でもこのレベルの高さでした)

 

ですので、上位を目指している私としては『絶対に呼ばないでくれ!』という心境の場面です。

 

幸運にも呼ばれずに済み、12人に残る事が出来ました。

 

こういった競技で残酷なのは、何年・何ヶ月も努力して準備して来た身体が僅か数分で審査され、ピックアップ落ちという結果になる事です。

 

JBBFはピックアップ落ちした選手は控え室から退室し会場を後にしなければなりません。

 

上位入賞を狙い、夕方まで競い合う気持ちで会場に来たのに、午前中に帰らなくてはならない、しかも沢山の応援団が来ている方もいます。

 

本当に残酷な瞬間です。

 

そんな時間に様々な選手を見ていましたが、私は今回の大会で最も勉強になるシーンを見ました。

 

12人に残る事が出来なかったある選手が同じカテゴリーの選手に笑顔であいさつをし、運営の方々にお礼の言葉を伝え速やかに会場を後にされました。

 

悔しく無いはずがないし、不満や言い訳も言いたかったはずなのに…

 

私に同じ態度が取れるかと問われたら、正直今の私には難しいと思います。

椅子を蹴り、腰に付けた缶バッジを投げつけている可能性さえあります…

 

こういう時に本当の人間性や人間力が表れるというのは本当です。

 

私はその方のお名前もしっかりと胸に刻み、『ああいう人間にならなければ!』と強く思いました。

 

ちょっと長くなってしまったので、本日はここまでで。