インナーマッスルについて考える

以前の投稿にも書きましたが、依然として世間では“インナーマッスル”という言葉が 巧妙かつ大々的に使われています。

 

オシャレだな~

 

カッコイイな~

 

胡散臭いな~

 

なんでもこの“インナーマッスル”、信憑性が低い本や雑誌によると身体の深層部にあり、通常のスポーツ動作や筋力トレーニングでは鍛える事が出来ないらしいです。

 

はっきり言いましょう!

 

ほとんどウソです。

 

では、なぜこのような言葉が頻繁に使われ、雑誌などの表紙をデカデカと飾っているのかというと、一部のフィットネス業界、如何なる手段を使ってでも売り上げを確保したい出版社、視聴率を1%でも上げたいテレビ局などがいかにもお洒落でカッコイイ雰囲気を意味も無く利用しているだけです。

 

そもそも、僕の考えでは骨格筋に“インナーマッスル”とか“アウターマッスル”などという区別は必要ないと思います。

 

本当の意味での“インナーマッスル”とは心臓や内臓のような平滑筋のことを指すのだと思います。

 

俗に云われている“インナーマッスル”の役割は一言でいえばスタビライザーです。

 

つまり、関節を安定させる事が主な働きです。

 

ですので、通常の筋力トレーニングやスポーツ動作で各関節が必要以上に動いてしまったり、脱臼してしまわないように、絶妙な力加減と繊細な動きとで関節の動きをコントロールしています。

 

つまり、スポーツをすれば“インナーマッスル”も“アウターマッスル”も協調して働いているのです。

 

例としては、ハンマー投げの室伏選手があの重いハンマーを超高速で回転して投擲する際に“インナーマッスル”は遠心力に負けないように身体全体を強烈に安定させます。

 

まさに、“インナーマッスル”と“アウターマッスル”が協調して働いている証拠です。

 

あの動作で“インナーマッスル”が働いていなければ、室伏選手の身体はハンマーに引きずり廻されとんでもない大怪我をしているはずです。

 

そして、筋力トレーニングでもそれは同じです。

 

重い重量を持ち上げたり、担ぎ上げたりする際に関節を安定させ効率良く力を発揮します。

 

ですので、ベーシックなウエイトトレーニングをしていれば間違いなく“インナーマッスル”は使われています。

 

余談ですが、“インナーマッスル”をトレーニングさせようとしているトレーナーが、よく使う言葉で『アウターマッスルには力を入れずインナーだけ動かして下さい!』と言います。

 

僕はいつも聞きたくなります。

 

『そんな神業、おまえは出来るのか?』

 

と・・・

 

ちなみに僕はそんな神業は全く出来ません。

 

反動や勢いを利用せず、丁寧に動かすことは出来ますが・・・