インナーマッスルについて考える②

前回の投稿について、質問を頂いたので僕なりの回答を。

 

質問は

 

『プロ野球の投手がチューブを使ってインナーマッスルを鍛えてるけど無意味なの?』

 

というものです。

 

答えから言うと、

 

“非常に良いトレーニングだと思います!

 

しかし、一般の方にそのまま適用するのは難しいです”

 

となります。

 

プロ野球の投手が柱やネットにチューブをくくりつけてリズムよく引っ張ってインナーマッスルをトレーニングしている映像はスポーツニュースなどでもよく目にします。

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“インナーマッスル”という言葉が世間に広まったのもここからではないでしょうか。

 

では、プロ野球の投手がなぜこの様なトレーニングをするのか…

 

彼らは140キロ前後のスピードボールを先発投手であれば、100球ほど投げ込みます。

 

その1球1球は簡単に投げているように見えますが、肩関節ではとてつもない事が起こっています。

 

下半身から生まれた力を上半身に移行させ、最終的にボールを握っている腕を140キロのスピードが出るほど超高速にスイングします!

 

その際、自らが生み出した力と腕の長さの遠心力でリリースの瞬間、腕は肩から抜けてしまうほどの力で捕手方向へ引っ張られています。

 

まるでロケットが発射するように・・・・

 

それも100回近くも繰り返し繰り返し・・・

 

その腕を引き抜かれないように肩関節を“安定”させているのが、肩の“インナーマッスル”と呼ばれている“回旋筋腱板”です。

 

この“回旋筋腱板”は非常にデリケートでとても傷付きやすいものです。

 

しかし、投手がボールを投げるという動作の中で非常に重要な役割をし、非常に酷似されています。

 

俗に云う“アウターマッスル”がアクセル全開で突っ走ろうとしている時に、“インナーマッスル”が抜群の力加減、タイミングでブレーキをコントロールしているのです。

 

筋肉というのは、アクセルよりもブレーキを掛ける時の方が負荷が掛かりダメージが大きいという性質があります。

 

その為、投手は意図的にスイングしている“アウターマッスル”よりも無意識に働いている“インナーマッスル”の方がダメージが蓄積される傾向にあります。

 

そこで、この“回旋筋腱板”をトレーニングし疲労の除去、コンディショニングの改善を目的に行っているのです。

 

僕の個人的なイメージとしては、

 

『無意識下で働いているものを、有意識下で鍛える』

 

という感じです。

 

ですので、このようなトレーニングを一般の方が行ってもあまり効果を感じる事は出来ないと思います。なぜなら、日常生活で腕がロケットのように飛んでいく程の事はまず有り得ませんので…

基本的にはベーシックトレーニングを行えば“インナーマッスル”も“アウターマッスル”もバランス良く鍛える事が充分可能です!

ただし、肩関節の調子が悪い…

 

腕を挙げる時に肩が痛い…

 

という方は、この“回旋筋腱板”の状態が良くない可能性があるので、そのような方には有効です。

 
このトレーニングを行う際に、1番気を付けて欲しい事は、プロ野球の投手のようにリズミカルに早いスピードで行わない事です。

 

プロ野球の投手は投球動作という高速動作で生かされるようスピードをつけて行っています。言い方を変えれば、プロ野球の投手だからスピードをつけてでも“回旋筋腱板”を正しく動かす事が出来るということです。

 
これをそのまま真似してしまうと、“インナーマッスル”を鍛えているつもりが“アウターマッスル”で遊んでいるだけになってしまいます。

まずは、反動や勢いを使わずゆっくり丁寧にチューブを引っ張って下さい!

 

正しく行えていれば、肩の奥に焼け付くような熱さが生まれます!

 

細かい可動域や方法はお近くのトレーナーに訪ねてみて下さい!

 

 

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