直線?曲線?

久し振りの投稿になってしまいました。

 

昨日、普段ほとんど見ないテレビを観ていたら、ある有名なエアロビクスのインストラクター(ご本人はエアロビクスではないと自負されているようです)の特集をしていました。

 

 

基本的に僕はテレビや雑誌に出ているカリスマトレーナーと云われている方々を肯定的に受け入れています。

 

少々、胡散臭いメソッドや有名人の名を全面に出し全く裏付けのない理論を堂々と謳っているインチキトレーナーも見掛けますが、その方々にも生活があり、何を言われようと売れてやろう!という気持ちは理解出来ます。

 

しかし、昨日テレビに出ていたインストラクターの発言は、僕が指導の軸としているウエイトトレーニングに対して誤ったイメージを与えていると思ったので、このブログを読んで下さっている方々には正しい情報をお伝えしたいと思います。

 

その発言とは

 

『ウエイトトレーニングは直線的な動きで女性が行うと筋肉質になってしまう…』

 

というものです。

 

まず、ウエイトトレーニングが直線的な動きなのか?という点です。

 

 

バーベルやダンベル、マシンの動きだけを見てしまうと直線的に動かしているように見えますが、ウエイトトレーニングはそんなに単純な動作ではありません。
バーベルを直線的に動かすために、それに動員される筋肉はひねられ、ねじられながら伸張と収縮を行っています。

 

ベンチプレスやチェストプレスでは肩関節が内旋・外旋を確実に行っているし、スクワットやデッドリフトでは股関節が内旋・外旋を間違いなく行っています。

 

つまり、その動作のバーベルの動きを見ているだけでは、関節の動きを勘違いしてしまう可能性があるという事です。

 

このインストラクターの発言を言い換えると『真っ直ぐ歩いていると直線的な動きしかない』と言っているのと同じです。

 

人間の筋肉は骨から骨へと付着していて、直線的に付いている筋、捻りながら曲線的に付いている筋、トンネルを潜るように付いている筋などとても複雑に構成されています。

 

ですので、バーベルを真っ直ぐ動かしても、真っ直ぐに歩いても筋肉や関節は曲線的に動いているのです。

 

要するにこのインストラクターは曲線的な動きを感じるほどのトレーニング技術もなく、解剖学的な視点から見ることも出来なく、ただ勝手なイメージでウエイトトレーニングのせいで筋肉質になったと宣っているだけです。

 

ちなみに、直線的な動きというのは次の写真のような動きを表します。

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人間とロボットは全く違うのです。

 

 

真っ直ぐ動かしているから直線的…

 
捻りながら動かしているから曲線的…

 

 

この発想では3歳児レベルでしょう!?